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その無垢な瞳で

恋とは何と上手くいかないものなのか・・・
家康は思わず大きな溜め息を吐いた。
これが恋だと自覚した時、相手は既に自分の方には向いていない事が確定していたのだ。

「はぁ・・・」

もう一度大きく溜め息を吐くと傍にいた側近が不思議そうに見つめてくる。

「家康様?いかがなさいました。お疲れになりましたか?
それともお傷が痛まれますか?」

こんな瑣末な事で臣下を煩わせてはならないと家康は慌てていつもの笑みを作った。

「いや、大丈夫だ。
だが第六天魔王が斃れたとしてもこれから先、天下を一つにまとめていくのは大変な事だな。」

己の悩みを公のそれにすり替えて家康は澄んだ青空を見上げた。
屋敷から覗く空は夏の陽光で高く澄み切っている。
己の心もいつもこうであれたらいいのにと家康は臍を噛んだ。

想い人は今一体何をしているのだろうか?
聞かなくても分かっている。
どうせ今はあの男の事で胸がいっぱいなのだ。
恐らく己には見せた事も無い程の甲斐甲斐しさを発揮しているのだろう。
勝手な憶測の悋気に自分ながら嫌気がさす。
こんな風に当て推量をしているから余計に余分な事を考えるのだと己を叱咤する。

それならばいっそ己が出向けば良いのだと家康は重い腰を上げた。

屋敷の廊下を歩いていると庭の片隅で話している二人の男を見付ける。
あれは・・・
家康は思いがけない所で想い人を見付け思わず立ち止まった。
三成と・・・甲斐の忍・・・?
あり得ない組み合わせに家康は首を捻る。
確かに数日前に、
かの関ヶ原の地で打ち解けてはいたが
こんなところで人目を忍ぶかの様に何か話し合っているのはおかしな話だ。
不審に思って近づこうとした時二人が家康の気配に気付いた様だ。
振り返ると三成は慌てたようにさっと踵を返す。

「三成?どうしたんだ?」

もう一歩近づこうとした時三成は佐助に一言『感謝する。』と告げ、足早に去ってしまった。

「三成・・・」

それを茫然と見送っていると佐助も『んじゃ!俺様も』
と家康の許を去ろうとする。

「まっ・・・待ってくれ。」

慌てて忍装束の一部を掴むと佐助は困った顔をする。

「勘弁してよ。旦那。石田の旦那に口止めされてるのよ。」

そう言うとさっと宙に飛びあがり姿を消した。

「三成・・・一体何があったんだ。」

数日前は確かに心が通じ合ったと思った。
あの関ヶ原の大地に横たわり、五人で想いを分かち合った。
あの時三成は強がってはいたが己の事を拒絶している様には見えなかった。
たった数日であんな風に頑なになってしまったのは何故なのか?
それはやはりあの男の存在以外には考えられなくて・・・

家康は大きな溜め息を吐いた。
あの男・・・大谷刑部少輔吉継の存在に他ならない。
第六天魔王に向かっていった刑部が飛ばされた時の三成の悲痛な叫びが耳に残っている。
三成と刑部の絆の深さを分かっているつもりだったが、
己の想像を上回る繋がりに胸を痛めた。
幸いにも甲斐の忍と独眼竜の右目が戦場から連れ出し手当をしてくれたので
何とか命を取り留めた。
己と刑部の扱いの違いに少し気持ちが落ち込むが、
前向きに生きると決めた以上そんな事でへこんでいる訳にはいかない。

「つっ・・・」

ズキリと躰が痛む。
第六天魔王から受けた傷も痛みを増長させたが、
やはり一番の傷は独眼竜の攻撃から三成を守った時だった。

背筋を冷たいものが流れ落ちる。
あの時・・・防御の形態を取った自分すらあれだけの傷を負ったのだ。
もし身動きが取れない状態の三成がまともにくらっていたら・・・
それを思うだけでぞっとする。
肝が冷えるとはこの事だ。

「無事で・・・良かった・・・」

思わず零れた言葉に思わず苦笑する。
己がどれだけ三成に魅せられているのかを自覚し、その救いの無さに自嘲した。
甲斐の忍が持ってきた物は・・・恐らく薬の類だろう。
刑部の傷を少しでも癒やそうと三成が頼んだ物なのだろう。
刑部が無事で本当に良かったと思うのに、それを妬ましく思う己を止められない。

「はあ・・・ワシ情けないな・・・」

小さく呟きながら目的地を目指す。
目指す場所まで来ると家康は腹に力を入れた。
まるで敵陣に踏み込んでいくかのように今までの気弱さを振り払った。

「刑部・・・入っても良いか?」

「徳川か・・・入るが良い。」

障子の外から声を掛けると是を示す言葉が返って来る。
善意で貸して貰った寺院の障子は手入れが行き届いているのだろう。
すらりと音も無く開いた。

「あれ?三成は?」

当然傍で看病をしているのだろうと思っていた相手の姿が見えず
家康は一番先にそう問うた。

「やれ・・・徳川よ、開口一番それか?」

少々呆れた面持ちで問い返され家康は慌てて取り繕う。

「いやっ・・・刑部、身体の調子はどうだ?」

「ヒッヒッ・・・その様に付けたしの様に言われてものう。
三成なら今日はまだ来ておらぬぞ。」

三成が常に刑部の傍にいる様な錯覚をおこしていた己に
何故か居た堪れない気持ちになった。

「そうか・・・それでお前は大丈夫なのか?」

「ヒッヒッ・・・われは昔より痛みに慣れておる。
これしきではわれに不幸は降らぬらしい。」

強気の発言の割には刑部の呼吸は乱れ、痛みも酷い様に見えた。

「後で薬を持って来よう。
あ・・・でもさっき三成が薬を貰っていたから必要ないかも知れないな。」

己で発したその言葉に胸の奥がツキンと痛くなった。
思わず伏せた視線に刑部のそれが絡む。

「そうか・・・それならばぬしから薬を頂戴しよう。
どうせ三成の薬はわれには役に立たぬ。」

「何っ?どういう事だ。」

刑部が三成を軽視するような言葉を言うとは信じられず家康は思わず声を荒げた。

「ヒッヒッ・・・言葉の通りよ。三成の薬は我を救わぬ。
今頃三成は必死で薬を煎じているのであろう。
ならば徳川よ、われの処にいるのは筋違いであろう?」

「刑部・・・言っている事が全く分からない。」

まるでさっさと己を追いだそうとしている様で不快な気持ちになった。

「ぬしはさっさと部屋に戻るが良かろ・・・」

やはり追いだす気なのかと眦がきつくなる。
その瞳を見つめてまたしてもヒッヒッ・・・と笑った刑部は不意に瞳の奥に鋭い光を宿す。

「日の本は照らせてもぬしの瞳は真実を見抜けぬと見える。
その様な節穴では見えるものも見えぬであろ・・・
この世の泰平を願うならば見通す眼も必要よ。」

「ワシが・・・この世を見ていないと言うのか?」

眦きつく見返すと刑部はその表情が堪らないと言わんばかりにもう一度笑った。

「そうは言うておらぬ・・・
ただ大事な事が何も見えておらぬと言うだけだ。」

「刑部・・・お前の言葉は難解すぎる。
言いたい事があるならばはっきり言えば良いだろう。」

ヒッヒッと笑い続ける刑部に不快感が増す。
これ以上此処にいる必要もあるまいとくるりと背を向ける。

一歩踏み出したところで刑部の声が背に刺さる。

「徳川よ・・・三成の心が欲しければもっとアレをきちんと見る事よ。
欲しるばかりでは心は掴めぬ。」

どういう事だと振り返るとやけに悟った顔をした刑部はまたしても笑った。
己よりも三成を理解している刑部を見ていると胸の奥がちくちくと痛んだ。

「ヒッヒッ・・・やれ・・・東照の悋気ほど熱いものもなかろ。
後はぬしがその目で確かめよ。」

「助言・・・感謝する。身体を大事にしてくれ。」

馬鹿にした体を見せながらも本気で助言してくれた事を悟り
家康は謝辞を述べるとその場を後にした。
己は三成の事をきちんと見ていなかったのだろうか?
三成の事を考えているつもりだった。
だがひょっとすると三成にとっては迷惑だったのだろうか?
刑部の言葉を反芻しながらも家康は今はとにかく三成の処へと足を運ぶ事にした。



     ***************



「三成・・・入るぞ?」

足早に三成の許にやって来た家康は言葉と共に三成が使用している部屋の障子を開ける。
美しい姿勢で坐している三成を見て思わず身体が止まった。

「貴様は私が是と言うまでの間すら待てぬのか?」

冷たく己を一瞥し手を止めた作業を再開する三成に
家康は先程の懸案は間違いではなかったのかもと瞳を曇らせた。

「すまん三成・・・邪魔したか?」

「別に邪魔だとは言っていない。
単に貴様の落ち着きの無さに呆れているだけだ。」

ごりごりと何かをすり潰しながら答える三成の手元を家康は凝視する。
やはり薬を煎じているらしい。さっき受け取っていたのはこれなのだろう。
三成が手ずから薬を煎じる。
それだけ刑部の事を想っているのだと再確認させられたようで思わずため息が漏れた。

「何をしている。
貴様がそこに立っていると手元が暗くなる。
さっさと坐すれば良いだろう。」

とりあえず追い返されなくて済んだと胸を撫で下ろす。
腰を下ろして改めて三成を見る。
しゃんと伸びた背筋、しなやかな首元、涼やかなその美しさに思わず酩酊した。
思わずその背ごと抱きしめたくなり狼狽する。

「み・・・三成・・・」

込み上げたその想いを誤魔化す様に名を呼ぶと真っ直ぐな視線が己に向けられる。

「何だ?私は今忙しい。」

その言葉に気持ちが沈む。
刑部の為に時間を割き世話をする為に薬を煎じている。
友ならば当然である筈のその行為すら認めたくなくて己の狭量さに辟易した。

「さっき甲斐の忍から受け取った薬はそれか?
刑部の傷が早く癒えると良いな。」

口先が上滑りをしていく。
どうして己は三成の前だとこうなってしまうのだろう。

「煩い・・・邪魔だ・・・去れ。」

小さく呟かれた言葉におおいに落ち込んだ。
いかんいかん・・・もう落ち込まないって決めたんだ。
そう思いながらも気持ちは沈む。

「何をしょげている。」

真っ直ぐに見つめられ思わず息を吞む。
しょげているのはお前の所為だと言いたい気持ちになるが
そんな事を言ったところで意味はない。

「ははっ・・・そんな風に見えるか?」

精一杯の強がりを言ってみるがその透き通った瞳には何もかも見通されている様だ。

「何を気弱になっているのだ。
いつも能天気な貴様がそんな風だと気味が悪い。
傷が痛むのか?」

そっと頬に手を伸ばされ思わず顎を引く。
心の臓が破裂しそうにドキドキと音を立てる。
この音が三成に聞こえるのではないかと家康は思わず一歩引く。
触れようとした手のひらが触れる直前に引かれ、三成は一瞬眉を寄せた。
しかしすぐにいつもの表情に戻ると不機嫌そうにもう一度言った。

「さっさと部屋に帰るが良い。
貴様の傷もまだ癒えてはいないのだろう。
こんなところで油を売っている暇があったら己の体調管理をしろ。」

辛辣な、だが的を得た言葉に反論も出来なくなる。
それでもやはり三成と共に居たいと思ってしまう自分に家康は苦笑する。
それだけ言うともう家康には興味が無いとばかりに作業に戻る三成の姿に
また胸の奥がチクリと痛んだ。
既に家康が隣りにいる事すら見えていない様に作業に没頭する三成の視線を
どうしても己の方に向かせたくなった。

「つっ・・・」

肩を掴んでグイと引き寄せる。
突然の家康の行動を読み切れず三成は痛みに顔をしかめ驚いたように目を見開いた。
今まで家康がこんな風に乱暴な行動に出た事はなかった。
己を見つめる家康の瞳に痛い程の強さを感じて一瞬たじろぐ。

「あっ・・・」

その時持っていたすり鉢が手から離れ薬は見事なまでに畳に散らばった。

「何をする!ようやく手に入れたと言うのっ・・んんっ・・・」

言いかけた言葉が終らぬうちに口唇を塞がれた。
一瞬何が起こったか分からず目を白黒させると驚くほど近くに家康の瞳があった。
口吸いされていると気付いたのは更に一瞬後の事だった。

「んっ・・・んんんっ・・・やっ・・めっ・・・」

ようやく離れた口唇に息を乱しながら家康を突き飛ばそうとした三成だが
背に回された腕はびくともしない。

「なっ・・・にをするっ・・・」

未だ状況が理解出来ない三成は家康の腕の中で逃れようともがく。

「このっ・・・馬鹿力っ・・・私をはなせっ・・・んっ・・」

またしても口付けられ三成は家康の腕の中で身体を震わせた。
強引に進んできた家康の舌が口蓋をなぞり
許可した訳ではないのに食いしばった歯列を舐め上げる。

「んっ・・・んんんっ・・・はっ・・・」

息苦しさと痺れたような甘さに三成はうっすらと口を開ける。
まるでその時を待ちわびていたかの様にするりと家康の舌が滑り込んでくる。
舌を絡められ上顎を舐められ噛もうと思う気持ちすら湧かなかった。

「い・・・えや・・す・・・」

乱れた呼吸で呼ばれる己の名前に家康は酩酊した。
潤んだ瞳と無垢な魂。
これほどまでに愛おしいと思いながらもその洗練さを穢したいと思う己の心に
家康は自嘲をその口許に浮かべた。

「三成・・・」

低くその名を呼ぶとビクリと身体が震えるのが分かった。

「な・・にを・・する・・・」

先程に比べると気弱の体を覗かせてそれでも問う事を止められない口唇をもう一度塞ぐ。

「んんっ・・・んっ・・・」

甘く柔らかい口唇を貪る事を止められず長く永い口付けを交わす。

「はっ・・・ぁっ・・・」

離れた口唇から銀糸が伝う。
激しい口付けの余韻でとろんと蕩けた瞼に触れるだけの口付けを落とす。
己を見上げるその瞳がまるで誘う様に映り家康は奥歯を噛み締めた。

「三成・・・すまん・・・」

それだけ言うのが精一杯だった。
家康は覚悟を決めるとその手を三成の衣に手を掛けた。

「なっ・・・」

裾を割り下帯の上からそっと三成の欲望を包む。
新たな刺激にビクリと身体を震わせた三成は不安げにその瞳を潤ませた。
腕に三成の手を掛けられるが構わずそっと手のひらに包んだものを扱き上げる。

「あっ・・・やぁっ・・・」

洩れた吐息は甘く家康の身体をも熱くした。

「よっ・・・せっ・・・い・・えやす・・・」

手のひらの中で嵩を増す三成の欲望を優しく撫で上げる。
その度に洩れる甘い吐息すら己の物にしたくて再び口付ける。
そのまま口唇は首筋を辿り乱れた長衣の襟から覗く胸の突起に辿り着いた。

「あっ・・・あぁっ・・・」

高く上がる嬌声に家康の欲望も硬く張りつめてしまう。

「三成・・・三成・・・」

もう一度胸の突起を舌でなぞると三成の欲望がいっそう嵩を増す。
下帯を緩めて取り去られた事すら三成は気付けない様だ。
気が済むまで突起を愛撫し三成の甘い吐息を聴く。
そして傍にあった灯り取りの油を指に掬う。

「三成・・・少し我慢してくれ。」

「んあっ・・・あああああああああっ・・・・」

欲望への直接の刺激で快楽を感じていた三成は
最奥にいきなり指を挿れられ高い悲鳴を上げた。

「やぁっ・・・いっ・・・やあっ・・・っ・・・」

家康の節の太い指を受け入れさせられ後ろがきゅうっと締まる。
拒むように閉じたそこを油のぬめりを借りてゆっくりと広げられる。

「あっ・・・あっ・・・・やっ・・・」

初めての刺激に三成は震え身体の内部を弄られる恐怖にがちがちと歯が鳴る。

「三成・・・大丈夫だ。怖くない・・・」

耳元に優しく囁きそのまま耳朶を舐め上げる。
一瞬耳に気持ちを逸らされ力が抜けた身体に再び指が動きだす。

「あっ・・・んっ・・ああああああああああああああ」

突然大きく身体を震わせ三成は欲望を放つ。
その瞬間後ろがぎゅうっと家康の指を喰らいつくす様に締まり家康は驚き指を止める。

「はぁっ・・・・はっ・・・」

突然の絶頂に頭が付いて行かず三成は荒い息を吐く事しか出来ない。

「そうか・・・此処がお前の気持ち良いところなんだな?」

息すら整わぬ三成の身体を抱き締め直しもう一度指の動きを再開する。

「やぁっ・・・よせっ・・・まだっ・・・ああああっ・・」

指を増やし徐々に柔らかくなって来るその感触を楽しむ。
胸の突起を舐め上げると更に嬌声が上がる。
またしても兆して来た欲望に三成が快楽を感じている事を確認すると
家康はそっと指を抜いた。

「あっ・・・んっ・・・」

快楽を途中で投げ出され不満げに揺れる瞳に触れるだけの口付けを落とす。

「三成・・・ワシを受け入れてくれ。」

己の下帯を緩め家康は己の勃ち上がった欲望にも油を塗り込める。

「ああああああああああああっ・・・・」 

指とは比べ物にならない程の大きさの物の侵入を拒もうと後ろが締まる。
先端だけ含んだままの中途半端な状態でお互い痛みに顔を顰める。

「三成・・・少し緩めてくれ・・・」

家康は動きを止め三成の額に掛った乱れた前髪を梳いてやる。
痛みに身体の力を抜く事すら出来ない三成をそっと抱き締める。

「三成・・・愛してる・・・ワシを・・・受け入れてくれ。」

希う様に額を合わせる。

「んぁっ・・ああっ・・・」

不意に三成の身体から力が抜けずるりと奥まで入り込んだ。

「あああっ・・・」

「熱い・・・な・・・」

火傷しそうな熱さに家康は思わずくっと息を止めた。

「い・・えやす・・・」

真っ直ぐに見詰める瞳が潤んで瞬きにあわせて透明な雫が流れ落ちる。
見た事が無い程綺麗な涙だと家康は感嘆しその口唇で優しく拭う。

「動くぞ・・・三成・・・」

「ひゃっ・・・ああああ・・・っ・・・」

突然の動きに三成は高い悲鳴を上げ諤々と身体を揺らした。
縋るようにしがみ付いてくる身体を愛おしく抱き締める。
己の愛情の全てで・・・

「あっ・・・あっ・・・ああっ・・・んあっ・・・」

己の突き上げに絡みつく三成の中を堪能する。

「いえっ・・・やす・・もうっ・・・」

限界を訴える三成に己も果てを感じて更に強く突き上げた。

「ああああっ・・・あっ・・家康ぅっ・・・・」

「くぅっ・・・三成・・・」

名を呼び合いはてる幸福に家康は身震いした。
はあっ・・・はあっ・・・と繋がりあったまま息を整える。
触れずにいたら体温すらない様に見える三成の身体は温かく家康の身体を包み込んだ。

「んあっ・・・」

ゆっくりと己の欲望を引き抜くと三成が小さく痙攣する。
どさりと三成の横に身体を横たえ、その細い身体を抱き寄せた。
深く瞳を閉じている三成の様子が気になり瞼に口付ける。

「三成・・・大丈夫か?」

控えめに声を掛けると突然ぱっと瞳を開けぎろりと睨まれた。

「す・・・すまん。無理をさせたか?」

「手順を踏め!」

突然怒鳴られその内容が把握しきれずきょとんと三成を見返す。

「何の事だ?三成?」

「全く貴様は物事の順序すら分からぬのか!」

無理矢理強いた行為を咎められると思っていたのに
どうやら三成はそれを怒っているのではない様だ。

「すまんがもう少し分かりやすく・・・」

「貴様は私を好きなのか?」

あまりに直接的な言葉に思わず躊躇する。

「何だ、さっきの言葉は単なる睦言か?」

「いやっ・・・違う!」

それだけは誤解されたくないと慌てて否定する。

「ワシは三成が好きだ。
ずっと・・・ずっと愛している。」

「それならば何故その心を先に伝えぬ。」

真っ直ぐ見詰めてくる瞳に己が映っている。
この瞳の前では何一つ嘘を吐く事など出来ない。

「すまん・・・つい刑部に嫉妬して・・・」

「刑部に?何故ここで刑部が出てくる。」

まるで分からないと言いたげな三成に自分が思い違いをしていると気付いた。

「お前と刑部の絆に口を挟みたい訳ではない。
でも・・・その・・・刑部の為に一生懸命なお前を見てると
ひょっとしたらお前は刑部が好きなのではないかと・・・」

「刑部は私の友だ。
それを看病するのは当たり前ではないか?」

「それはそうだが・・・
わざわざ薬を自分で調合したりしなくても・・・」

我ながら童子の様だと思いながらも拗ねる事を止められない。

「貴様は馬鹿か!」

しゅんと項垂れる家康に三成は呆れたように言う。

「あの薬は貴様の為の物だ。」

一瞬状況が読めずに茫然とした家康に三成はもう一度噛んで含めるように言う。

「あの薬は貴様の為に取り寄せた物だと言ったのだ。」

刑部のあの言葉・・・

『どうせ三成の薬はわれには役に立たぬ。』

刑部は気付いていたのだ。
三成が自分の為ではなく家康の為に薬を取り寄せた事を・・・

『三成の心が欲しければもっとアレをきちんと見る事よ。
欲しるばかりでは心は掴めぬ。』

「ワシは・・・馬鹿だ・・・」

刑部の言うとおり全く見ていなかったのだ。
己の気持ちを押しつけてばかりで三成自身を見ていなかったのかも知れない。

「三成は・・・・ワシを好きでいてくれるのか?」

少々弱気な問いだと思いながらもこれで否と言われたら立ち直れないかもしれないと思う。

「そうでなければ貴様に身体を許しはしない。
私を抵抗すら出来ない男だと思うのか?」

三成らしい告白に胸の奥が熱くなった。

「ありがとう・・・三成・・・ワシも愛している。」

もう一度強く抱き締める。

「貴様は傷は痛まないのか?」

腕の中で小さく呟くように問われそう言えばと思い出す。

「三成と一つに成れたのが嬉しくてすっかり忘れていた。」

「ふん・・・現金な奴め。」

そう言いながらもホッとした様子を見せる三成が愛おしい。

「あっ・・・すまん・・・せっかくの薬を・・・」

「構わない。どうせ私の自己満足だ。
貴様の傷がいたまないのならそれで良い。」

三成の乱れた髪を梳いてやる。
さらさらと指に馴染む感触を楽しみながら飽く事無く撫で続ける。

「貴様がこれから泰平の世を作ると言うならば私を刃として使え。
そして己の命を大事にしろ。
私など庇う必要はない。」

「それは出来ん。
ワシはお前を愛している。
お前が危なくなったらきっとワシはまた飛び出してしまうだろう。」

「それならば貴様はもっと力を付けろ。
使わぬのが力ならばそれを貴様が証明してみせろ。」

顔をあげっ真っ直ぐに己を見上げる三成の瞳に誓う。

「分かった。ワシは陽となろう・・・
夜をも癒せる陽となろう。」

コクリと頷く三成をもう一度抱き締める。
恋と言うのも悪くない。
溺れるのではなく互いに磨き合える。

「だから三成はいつでもワシの隣に居てくれ。
ワシが路を違わぬ様ワシを真っ直ぐ導いてくれ。」

その無垢な瞳で・・・いつでも此処に居て欲しい。

「是だ。貴様は貴様の思う路を行けば良い。」

いつかこの命が尽きる時まで・・・共に・・・









劇場版で激しく萌えた(笑)
家三が共闘できるなんて!
ゲーム版はどうしても切ないラストになってしまうので
今回は劇場版その後・・・的な・・・
相方桃源さんのお誕生日プレゼントに書いた作品です。