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腕の中で眠る君を柔らかく抱き締める。
散々睦んで疲れ果てた君をこうして腕に抱き込んで、僕は至福の時を過ごす。
浅い呼吸を繰り返す君は僕がゆったりと髪を梳くのを無言で許してくれる。
その柔らかいくせ毛に指を絡めそっと撫で下ろすと閉じられた睫毛が緩やかに震える。

瞼がそっと開くと僕の大好きな空色の瞳が軽く泳いだ後僕を捉える。

「ちょ・・・七条さん・・・もう・・顔見ていないで下さいよ!」

頬を上気させたまま少し上目遣いに睨むから・・・
余計に僕の理性は使い物にならなくなる。

「ふふっ・・・すみません。君が余りに可愛いものですから。」

そう言うと更に頬を染める君が愛おしい。

「そんな事ばっかり・・言わないで下さい・・・」

俯く君の顎を捉え上を向かせると少し強引に口唇を貪る。

「んっ・・・し・・ちじょうさ・・ん」

洩れる吐息すら惜しくてもう一度口付ける。
名残惜しげに口唇を離すと口付けの深さを物語る銀糸。
君の口唇を人差し指でなぞる。

「ねえ・・伊藤くん・・・」

「なんですか?七条さん。」

すぐにキチンと返る言葉に嬉しさがこみ上げる。

「流星群を見に行きませんか?」

僕の唐突な誘いが意外だったのだろう。
きょとんと見上げる瞳があまりに子供っぽく可愛らしくて僕はひとりごちる。
全く・・・君には敵いません。

「流星群?今からですか?」

「はい。今日は一番よく見える日らしいですよ。」

そう言うと君は目を輝かせる。

「うわっ・・・見たい!見たいです。」

「そうですか。それでは一緒に出掛けましょう。」




消灯後の静まり返った廊下を君と手を繋ぎ靴音を立てないようにそっと歩く。
僕はこの瞬間を心から幸せに思う。
見付かるかもしれないというスリルとちょっとした罪悪感を二人で共有する。
途中で物音がした途端繋いだ掌にぎゅっと力がこもる。
その度に僕はそっと君の手を握り返す。
するとホッとしたように緩む君の表情が僕を幸せにする。
この暗い廊下がずっと続けばいいのに・・・・
君と2人だけで手を繋ぎ歩いていける。
たったそれだけで心の中が暖かくなる。



「うわっ・・・風が強いですよ。」

屋上に続くドアを開けた君が僕を振り返る。
その微笑みに吸い寄せられて僕は君を抱き締める。
後ろ手に扉を閉めると
腕の中の愛しい恋人ははにかんだ笑顔で僕を見上げる。
そして視線が僕の後ろに流れた後
大きな瞳を更に大きく見開き声をあげる。

「あ・・今流れましたよ!」

僕の肩越しに見えた流れ星に嫉妬する。
君の視線が僕から離れていってしまう事に・・・
そして君と同じ景色を見られなかった事に・・・
全く子供っぽい嫉妬心。

君と同じ景色が見たくて
後ろから抱き込んだ姿勢で給水塔を背に腰を下ろす。

「あ・・・また・・・見えました?」

「ええ今度は見えましたよ。」

そういうと晴れやかに微笑む恋人の笑顔に惹き込まれる。

「綺麗・・ですね・・・」

本当に綺麗なのは君なのだと何回言ったら分かるのだろう。
僕には・・・君しか見えないのに・・

持ってきた毛布を二人で被る。
首まですっぽりと覆い少し冷えた君の手をそっと温める。

「あったかいです・・七条さん。」

ポツリと君が呟く。
その一言がどれほど僕を歓喜させるのか
君には分っていないのでしょうね。
前に回した腕で君をギュッと抱き締める。
僕の腕の中にすっぽりと納まった君は・・・
今僕と同じ目線で物を見ているのだろうか?

甘えるように君の肩に頭を乗せ、首筋に口付ける。
少しくすぐったそうに身を捩った君は・・・
それでもその行為を許す。
ほら・・そんな風に甘やかすから・・・
僕はどんどん欲張りになってしまう。

満天の星を見上げながら君に誓う。
この想いは一生消えることはないと。

「愛しています・・・伊藤くん。」

ピクリと身体を震わせて頬に朱を走らせながら・・・
それでも君は許してしまうのだ。

「俺も・・ですよ。七条さん。」

この屋上は僕と君にとっては忘れられない場所だから・・・
だから今ここで君を抱き締める。
僕の誓いが君に伝わる事を願って・・・










 FIN

シェリー様に捧げます。って一体いつのリクだって感じですが・・・
すみません。こんな短いのを仕上げるのに1年近く掛かってしまって(汗)
リクは七啓で星降る夜にというタイトルでとの事でしたが
キチンとリク通りになってるでしょうか?